Sync Journal(ProtoType.ver)が2025年6月27日に出来上がり、実際に自分で1ヶ月間「ProtoType.ver」を使い検証をしました。
想定通りの使い方ができたという良い感触を得ることができた一方で、使いにくく改善が必要だと感じた部分もありました。
今回の記事では、この検証体験をお伝えします。
目次
ProtoType.verの検証結果
Sync Journal(ProtoType.ver)は、試作品です。私の頭の中で「あーしよう、こーしよう」と考えたことが、現実で本当に体感できるのかを確かめるために作りました。
この試作品を実際に使ってみたことで、改善ポイントが見つかり正式版のリリースにつながりました。
「ProtoType.ver」の「良かったところ」と「改善したいところ(再考したい)」をまとめました。
それぞれの詳細を記事にしました。
ノートの名前
「ProtoType.ver」の表紙には「The Intersect Journal」という名前が刻まれてます。実は試作品を発注する段階では「Sync Journal」という名前ではありませんでした。
「Intersect」とは「交差する」という意味で、このノートが「理想」と「現実」が交差する場所になる、というイメージから命名しました。しかし、納得できず、もっと呼びやすく親しみやすい名前を求めて言葉を探した結果「Sync(同期する)」が見つかり、正式版が「Sync Journal」に決まりました。
検証結果「良かったこと」
まず「ProtoType.ver」のよかったポイントを紹介します。
「想定通りだったこと」と「予想外によかったこと」があります。
【想定通りだったこと】
Good①:2つのタイムライン
SyncJournalの特徴ともいえる「2つのタイムライン」をページの真ん中に隣り合わせで配置しました。この使い心地は、自分の狙い通りの感触を得られました。
正式版に向けて「デザイン修正」と「時間枠を増やす修正」を加えました。
タイムライン名の変更
正式版では、文字の表記を左のタイムラインは「DREAM」から「Plan」に、右のタイムラインは「REAL」から「Record」に変更しました。
「理想」と「現実」というテーマが根底にあったので、試作品では直接的な言葉で「DREAM」と「REAL」にしましたが、言葉の印象が強く感じていたので、少し和らげるために「Plan」と「Record」に表記を変更しました。

ちなみに「理想」の直訳は「ideal」ですが言葉の馴染みが薄いだろうという判断で「dream」を採用していました。
【予想外だけどよかったこと】
Good②:ページ端の左右のMEMOエリア
タイムラインの隣に設置した「MEMOエリア」
デザインを作ったときには、明確な使い方を決めておらず、自由に書き込めるエリアとして設置しましたが、予想外に有効に使える機能でした。
計画を担う「DREAMエリア」では「タスクリスト」として、記録を担う「REALエリア」では「日記」「作業日報」「自己成長」などの「総合的なメモ」として活用できることが体験できました。

思い付きで実装した機能だけど、良い結果だった
検証結果「再考したいこと」
次に「ProtoType.ver」の使いにくかったこと、改善が必要そうなことをまとめました。
【要検討】
Rethink①:ノートのサイズ
ノートのサイズは「大きい方が書きやすい」という安直な発想で「B5サイズ」に設定しました。
ところが、それまで無印のバーチカル手帳の「A5」に慣れていたので、毎日使う手帳としては「B5」は大きすぎると感じました。
また自分の作業用デスクも広くないので、ノートを出しっぱなしにしておくと邪魔に感じる場面もあり、持ち出すときや片付けのときに大きさによる不便さを感じました。
最終的にB5サイズに
検証では「A5サイズ」に心が傾きましたが、最終的に他の改良点との兼ね合いもあり「書くこと」を重視する方針に変わった結果、書くスペースが広いB5を正式版に採用することにしました。

「A5」にするか「B5」にするか、最後まで悩みました
【要検討】
Rethink②:見開き状態
今回の試作品は、真ん中をホッチキス止めで作る「中綴じタイプ」
表紙の4面を含めると、全40ページ(中身36ページ)の薄いノートで、20ページ目と21ページの見開き部分がホッチキス止めされています。
そのためノートに書き込む際は、常に見開きの状態で使うことになります。2日分のページが視界に入ることになるため、2日間の比較や振り返りには役立ちます。
しかし、Sync Journalの「1日にフォーカスする」という本来の狙いからは、少しずれています。
さらに使用時のスペースも広くとる必要があるので不便でした。
「3M」はリングノートタイプを考えていた
ノートを作るにあたり元々2タイプの商品化を考えており、ページ数が多くなる「3M」は「リングノート」する予定でした。
ProtoType.verの「中綴じタイプ」が検証できたことにより、
リングノートの
というメリットを確認できました。
【要検討】
Rethink③:3行フリーエリア
ProtoType.ver(試作品)を作るにあたり、コメントやメモや日記的なものが書けるようにページ上部に「3行のフリーエリア」を設けました。
2つのタイムラインによる時間と行動の記録ができればいいと思っていましたが、振り返るときの材料として残る情報が少ないと感じたので、フリーエリアを設けることで補おうとしました。
また「書くことを決めると窮屈になりそう」という理由で、あえて自由なスペースとして用意しました。
ところが、別の記事(→【ProtoType.verの使い方】自由に書こう!「3行フリーエリア」について)でもお伝えしていますが、この「なんでも書ける」という機能は、失敗しました。
理由は「書く目的」が曖昧だったからです。
『自由に書ける』となると、「何を書こう?」と考える時間が増え、書くことを面倒に感じることも多かったです。その結果、何も書かない『空白の日』が続いてしまいました。
3行フリーエリアの改良
「3行フリーエリア」は、正式版ではエリアを6分割し、アイコンと小見出し付ける仕様に改良。書く内容を指定したデザインに編集しました。
- Plan(計画)エリア
- Event(今日の予定)
- Goal(今日の目標)
- Message(今日の心構え)
- Record(記録)エリア
- Topic(今日の話題)
- Award(今日の自分を褒める)
- Thanks(今日の感謝)
【要検討】
Rethink④:紙の色
「ProtoType.ver」では、中身のページの色を「白」にしましたが、個人的に明るすぎると感じました。
目に優しい色に変更
ノートを開いたときに落ち着いた雰囲気にするため、正式版では「淡クリームキンマリ」という少し黄色味がかった紙を採用しました。
【要検討】
Rethink⑤:目標意識の維持
ProtoType.verを使って感じたのは「目標に対する意識を継続しにくいかもしれない」という懸念です。
ProtoType.verを作ろうとするときは「オリジナル手帳を作って販売する」という目標に対する情熱があり、積極的に工夫をしながら試作に取り組んでいました。
ところが、試作品とはいえ、いざ製本として手にすると、満足感を得た分、その情熱が少し落ち着きました。
すると手帳に書く内容が、生活のルーティンのことが中心になってしまい、「何の目標に向かって、どう行動すべきか?」という目標意識が下がってしまった期間がありました。
これは「Sync Journalの弱点かもしれない。目標意識を継続できる仕組みが必要かもしれない」と感じました。
もし改善するとしたら、
などが思いつきました。
他にも、カレンダーやウィークりやマンスリーなど「時間感覚を俯瞰で把握できる機能の必要性」も検討しました。
結論はデイリーページオンリーに
「目標を見失うかもしれない」という反省から、いくつかの改善策を考えましたが、正式版はデイリーページのみにしました。
理由は、Sync Journalを「1日を充実させる」という役目に絞るためです。
「目標達成をサポートする機能」を盛り込むと「自己成長のためのノート」というイメージが濃くなると感じました。

日常でも気軽に使って欲しいです
【まとめ】正式版の修正に役立つ検証になった
ということで「Sync Journal ProtoType.ver」を開発者本人が使った検証結果をまとめました。
私自身が「想いが先走るタイプの性格」ということもあり、失敗しないようにあれこれ考えているより、実際にノートという形になったときの使い心地を確かめた方が早い、と判断して、とりあえず作ってしまったという経緯です。
しかし、自分で使ったことで、たくさんの改善ポイントが見つかりました。

「百聞は一見に如かず」
こうして検証できたことが、正式版へのアップデートに役立ちました。
記事内にちりばめた「【コラム】開発秘話」にて、検証した結果どうなったのか?をお伝えしていますので、参考にしてください。

